一穂の探索リポート(4)
2001年4月28,29日 長岡市(新潟県)
連休の始まりに、いつもちまたの休みに一緒に休めないお父さんがやっぱり今度も仕事があって『だめだー』と思ったら、突然(!)長岡までみんなで行こうということになった。お父さんはオーケストラの演奏会が長岡であるんだけど、前の日からみんなでドライブして行ってホテルに泊まって、翌日は午前中はみんなでどこか良いところを探して遊ぶでしょ、それから午後はお父さんは仕事があるけどぼくとお母さんはもう少し遊んで夕方からお父さんのコンサートに行って、それからみんなで帰って来ようというわけ。今回はなんと言ってもいつも留守番だったお母さんが一緒なこと、それにレミー君とヴィヴォも一緒なのがうれしいな。お父さんの新車(!)エルグランドでの初めてのロングドライブも楽しみだー。
というわけで、28日の午後2時過ぎ、みんなで家を出発した。午前中はみんな予定があったんだ。だってお父さんが急に思い立ったもんだから、お父さんとお母さんは生徒が来るし、ぼくはサッカーの練習試合があったんだ。でもみんな予定通り済ませてからにしたんだよ。それに、お父さんなんかちょっとの間に農協までハナミズキを買いに行って玄関に植えちゃったりもして。思いつきと行動の人なんだよね。
連休の初めだから環八通りが混んで、練馬インターまで1時間と見たのがなんと2時間40分もかかっちゃったよ。夕方に着こうと思ったのに、カーナビの到着予想時刻は8時40分。でも高速に乗ってからは順調にかっとんで、カーナビは到着予想時間をどんどん書き換えて夜7時半頃ホテルニューオータニ長岡に着いた。途中、長い関越トンネルを抜けたら周り中に雪が残っていたのには驚いた。東京はもう初夏のようなのに。
夜の食事はホテルの近くのお刺身のおいしいお店に行って食べた。だいたい日本海はお魚がおいしいことで有名だから決まってこういうときはお刺身だよね。鯛、ヒラメ、アジ、どれもおいしかったね。焼津のマグロもおいしかったけどここもさすがだ。サザエの壺焼きを最後に食べたけど、塩の上に生のサザエがのせてあって、火がついて出てきた。しばらくするとぐつぐつ言い出していい匂いがしてきたよ。火が消えたところでほひほひ食べた。うーん、サザエだ!
満腹になって帰ってきた。お父さんは車で待っているレミーとヴィヴォを散歩させに行った。今夜は彼らは車で寝るんだ。ぼくは興奮してなかなか寝られない。大きなベットが2個とソファーをベットにしたのが一つ。誰がこの簡易ベットに寝るのかでみんなが何度もうろうろベットの上を行き来した。簡易ベットがいやなんじゃないよ。ただ向きが一つだけ違うから顔が見えないじゃん?誰が寝るにしてもかわいそうだよね。結局ぼくはお母さんのベットに並んで一緒に寝ることにして簡易ベットは見捨てられた。
朝、窓が東向きなので早起きのお父さんに起こされたとき、まだ5時40分頃だったけど太陽が向こうの山の上まで出ていた。車で寝た弟たちはいい子にしているかな。ふだんはお父さんが毎朝散歩させてるんだけど、今朝はせっかくだからみんなで行こうよということになった。駐車場はホテルのすぐわきで、朝の空気がすがすがしい。レミーとヴィヴォはぼく達が行くと待ちかねたように車から出てきた。ふたり、じゃなかった2頭を連れてお母さんとお父さんとぼくはホテルのすぐそばの川に沿って歩いた。桜は終わっているけど八重桜がまだ咲いているし、近所の家の人たちが川沿いのところに花をいっぱい植えていて、大きなチューリップや水仙がきれいだ。ライラックが咲いていたらお父さんが匂いを嗅いでとても懐かしいといった。昔お母さんとウィーンに留学していた頃5月になると街中にあちこち咲いていていい匂いがしていたのを思い出したんだって。ウィーンにはお父さんとお母さんの新婚時代のロマンスがいっぱいなんだ。
それにしてもこの街の道路はやけに赤茶けているのはなぜかなー。鉄さびの流れたような感じなんだけど…。疑問はじきに解消した。少し歩いた橋の近くの家の前に何かが紙に広げて干してある。その家のおじさんとおばさんがいたので聞いてみたら、近くの山でとれるゼンマイだって。自分で採ってきた山菜なんかを食べるのはいいよね。うちでも庭でふきのとうやミョウガが採れるよ。蚊に刺されながらミョウガを採ったことがあるけど楽しかったな。で、そのおじさんたちに聞いてみたんだ、なぜここら辺の道はこんなに赤茶けてるのかって。それは、道のまんなかへんに埋め込まれた雪解け用の水の出る装置のせいだったんだ。水は鉄分の多い井戸水なんだって。それで冬の間積もる雪を溶かすために流れているんだけど、井戸水だから暖かいんだね。ほとんど道には雪がないんだって。そう言えば道が蒲鉾みたいに真ん中が高くて傾斜してるのが東京よりはっきりしている。うーむ、生活の知恵だなー。家はどこもみんな屋根へあがれるように梯子がつけてある。もちろん雪下ろしのためだ。ことしは1mも積もったって。というわけで、今回もまた東京ではわからないことを見て一つ賢くなったね。
ホテルで朝食を食べてから、車で近くの国立越後丘陵公園に行った。レミーとヴィヴォが入れなかったら困ると思ったらちゃんと入れてくれた。中はまさに花いっぱいで、チューリップが満開なのが見事だった。どこもここもいろんな花を植えたり飾ったりしていて、噴水や芝生のところもあってすごくきれいで広々している。時間があればゆっくりしたかったけどお父さんの仕事に間に合うように早めに切り上げた。昼前だったけど、連休で、しかも今日は入場無料というので国道から公園入り口までが大渋滞。ぼく達はそれを見ながらすいすい出てきた。これから中も混んで大変だな。



コンサート前のリハーサル(ゲネプロって言うんだ)が始まるまで控え室のロビーでうろうろしてた。いろんな楽器を持ったオーケストラの人がいておもしろいよ。ぼくの知ってる人もいて話しかけてくれたりするから楽しかった。みんなお父さんの仲間なんだ。指揮者の大野和士さんは世界で活躍する有名な人なんだけど、昨日ぼく達と同じホテルに泊まっていて、今朝ホテルを出るとき会って握手しちゃったよ。コンサートはヴェルディというイタリアのオペラ作曲家の作品ばかりで、オペラのアリアをずいぶんたくさんやった。ぼくは聴いてるだけでも結構疲れたけど、お父さんたちは弾いてるんだから大変だね。でもかっこいいよ。
コンサートのあと車で家に向かった。道は混んでないみたいだけど、着くのは夜中かな。途中のサービスエリアでラーメンを食べてあとは寝て帰った。
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