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第二部「時給720円!青春見習い中」

出演者
ファーストフード店「キッチンズバーガー」店長・保田:保田圭
ピースカンパニー社長令嬢・真里:矢口真里
ピースカンパニーのエリート社員・後藤主任:後藤真希
「キッチンズバーガー」アルバイト店員・石川:石川梨華
北海道出身の女の子・辻:辻希美
「キッチンズバーガー」新人アルバイト・紺野:紺野あさ美
後藤の妹・まこと:小川麻琴

社長:長江健次

カントリー娘。:カントリー娘。

石井先生:石井リカ
あつこ容疑者:稲葉貴子

あらすじ
夢ヶ丘駅を挟んで「商店街」と反対側の、駅南口。
そこには大型百貨店「ミライ百貨店」があった。
その1階には、働く女性がみんな可愛いと評判のファーストフード店「キッチンズバーガー」が連日繁盛していた。
スタッフは、店長の保田、アルバイト店員の石川、そして親会社「ピースカンパニー」の社員、後藤主任。
エリートの後藤は、スタッフの女性みんなのあこがれの的。更に「ピースカンパニー」社長令嬢・真里が、まるでフィアンセであるかのような態度をとるものだから、後藤に思いを寄せる保田店長は、今日はご機嫌ナナメ。

そんな「キッチンズバーガー」に新しく入ったアルバイト店員、紺野。実は後藤主任が採用したのは「こうの」だったのだが、保田店長のミスで就職してしまうことになったのだ。
初日から30分も遅刻してきた紺野は、仕事中もドジばかり。
そのくせ「完璧です!」を繰り返す姿にイライラを募らせる保田、自らの出世の妨げになるのではないかと心配する後藤、フォローしようにもテンポが合わずにズッコケまくる石川・・・。

或る日、紺野は後藤主任お気に入りの洗剤「ヨゴレオチール」を買ってくるように店長に指示され、お使いに出掛ける。
かしかし、何を勘違いしたのか本屋さんに迷い込み、そこで辻という少女と出会う。
北海道に住んでいた頃の知り合いが歌手デビューしているのをテレビで見て、自らも歌手を夢見た辻は、音楽関係の本を探していたのだが、広大なフロアで迷ってしまったらしい。
一緒に本を探し、かなりの時間を費やした紺野は、たった一つだけしか売れ残っていなかった「ヨゴレオチール」をまことという少女に譲ってしまう。
長時間店を留守にした上に、お使いの用をなさなかった紺野に保田の怒り爆発!
だが、そのあと店には辻が、知人である人気歌手・「カントリー娘。」を連れて来店し、それに釣られて客足が伸びて店の売り上げは急上昇!
更に、「ヨゴレオチール」を譲った相手が後藤主任の妹であったことが発覚。
結果オーライの事態に、保田も石川も胸をなで下ろす。

そんな中、後藤主任がスタッフを集め、自らにニューヨーク転勤の辞令が下ったことを発表する。
スタッフの女性一同が哀しむ中、これは総合商社に働く彼自身の夢だったと聞き、紺野一人が感動するのだった。
彼女も獣医を目指すために北海道の学校へ通おうとお金を貯めているのだ。
紺野の話を聞き、将来の夢を忘れかけていた保田・石川は胸を突かれる思い・・・。

夢が現実になろうとしている後藤の胸中には、何故かイライラが募っていた。
それはきっと、紺野のドジのせいだ・・・
後藤は紺野に怒りをぶつけるが、逆に、自分が保田や石川、真里の気持ちから逃げているのではないか、真剣に生きていないのではないかと糾弾され、自分の中の「ある思い」に気付かされる。

「いつも真剣な、紺野のことが、好きだ・・・」

真里に、保田に、石川に、そして紺野にその思いを伝える後藤。
しかし出発までの2週間、紺野は後藤を避け続ける。
そして遂に出発の日。

紺野は、お別れに、またしても遅れて現れた。
自分は、獣医になる夢を追いたい・・・でも、後藤さんのことが、どんどん好きになっていく・・・

恋愛発展途上の紺野と、仕事に明け暮れ真剣な恋愛を初めて知った後藤の「青春見習い期間」は、まだ始まったばかりのようだ。

社長「後藤君の青春は、時給で言うとまだ680円って所だな」

ストーリー、音楽について
ストーリーの流れとしては、第一部の方がしっかりしていたかも知れません。
第二部の方は、コメディタッチでより笑わせてくれる内容になってましたね。
悔しいくらいに、小ネタで笑わされました。

客1「ウーロン茶一つ」
紺野「砂糖とミルクはおつけしますか?」
保田「ウーロン茶に砂糖とミルクつけるなっ!」

客2「アイスコーヒー一つ」
紺野「アイスにしますかホットにしますか?」
保田「アイスコーヒーをホットにするなっ!」

客3「オレンジジュース一つ」
紺野「ご一緒にお飲物は如何ですか?」
保田「お飲物とご一緒にお飲物つけるなっ!」

この3連続にはうっかり爆笑・・・
その他にも小ネタギャグが連発で・・・

ストーリー展開としては、いったいいつの間に後藤主任と紺野がそんなことに?って事も含めて唐突すぎますけども。
「コント」だと思えば、憎めませんね。

そんな中で、「将来の夢」を軸にした展開、特に紺野のセリフには、ちょっとドッキリさせられました。
秋コンサート〜春コンサートに書けて紺野の持ちネタギャグになっていた「完璧です!」に、意外にも重いテーマがつけられていましたね(まぁ、確かに明らかに後付けでしょうけれども)。
ボクも「人に誉められたい」という気持ちが非常に強い人間でして。
彼女のように、毎日自分のことを「完璧でした」と言い張れるような人生を送りたいと感じました。

音楽については、こちらには(ストーリーのテーマという意味とは異なりますが)中心となる楽曲「キッチンズバーガー」が繰り返し流れていて、非常に耳に残りました。
それとエンディング近くの後藤主任の苦悩の曲、「答えてほしいんだ」が、まさに「絶唱」、これも心に残ります。
何が面白いって、ここで舞台(表がキッチンズバーガー店内、裏がスタッフルーム)が紺野と後藤主任の動きに合わせてくるくると回転し、仕事をしている紺野、追いかける後藤、避ける紺野、・・・という芝居を盛り上げるのです。
舞台劇の醍醐味って、こういうところにあるんでしょうね。
恥ずかしながら、ちゃんとしたミュージカルとか舞台劇を見たことがないのですが、第一部にはそれらしい演出が印象に残っていないので・・・

さて、ボク個人としては第一部よりこの第二部の方が楽しめたのですが、それが何故かと考えた場合、推しメンバーである梨華が出演していたことは確かなのですが、出演者のみんながキッチリ自分のキャラクターを作り上げてきて、舞台の上に「ミライ百貨店」というバーチャル空間を作り上げてくれたからに他ならないと思っています。
ボクの性格をご存じの方ならお解りでしょうが、ボクは例え梨華が出ていようとも、不満なら不満だと書きますもの。「はいからさんが通る」でおわかりでしょ?(笑)

閑話休題。
ですので、この第二部について語る場合、以下の「メンバー別コメント」に力を入れた方が良さそうに思いますので、早速そちらに移りたいと思います。

メンバー別コメント
紺野あさ美

大したもんです。5期メンバーにして、いきなり主役大抜擢。
あの後藤真希の相手役、脇を保田・矢口・石川ら先輩メンバーに固めさせて・・・。
彼女は抜群にセリフ覚えがいいんですよ。メンバーが各所でそのことを漏らしていました。
だからこその大抜擢でしょう。セリフも覚えられないようでは、冒険しようにも出来ません。
その「冒険」に、見事に答えた紺野は、すばらしかったと思います。
まぁ、ラストの後藤主任との掛け合いの歌(好きか嫌いかセレナーデ)で力一杯音を外す失態をさらしてしまったのですけれども。
とはいえ、それなりに声も出ていてセリフも聞き取れたし、噛むこともなかったし。
これだけのことが出来ていれば、主役抜擢という美味しい目にもあえると言うことですね。
もちろん、ただセリフを読んでいただけではありませんでしたよ。
特に後半の後藤主任とのぶつかり合いは見物でした。
まだまだこの子はこんなものではないように思えます、テレビでも舞台でも、どんなステージでもいいから、今後も活躍して欲しい、そんな期待を持たせてくれました。

小川麻琴
残念だったのが、出番が限られてしまっていた彼女ですね。
百貨店で紺野と「ヨゴレオチール」を譲り合うシーンと「兄」後藤にそれを届けるシーン、そしてエンディングの3カ所だけ。
非常に評価しにくい、というか演劇のことがよく解っていないボクが評論するには材料が少なすぎます。
ただし「否定的コメントを述べる」材料もないんですよね。
セリフは噛んでないし。棒読みでもないし。
滑舌はよく、セリフがとても聞き取りやすい。
ラストの「こんないい妹、ニューヨークにはいないぞ!」の、寂しさと元気さが入り交じったセリフが印象的でした。
「自分の見せ方を、よく解っている」
友人からはこういう意見が聞かれました。上記のような感想が出るのは、そのためでしょう。
紺野ほどとまでは行かなくても、もっといい役が欲しかったな。

辻希美
役に恵まれないと言えば、この子です。
カントリー娘。の知人(先輩という設定)というだけなんですよね。
無理矢理詰め込まれた役に当てはめられてしまいました。
直接彼女の声を聞くと、とっても力強いんですよ。
本が見つからない心細さも表現できていたし、「よっすぃー。」写真集を見つけるシーン、そこから「私も、こんな写真集が、出してぇ〜!」と絶叫するシーンあたりのおちゃらけた雰囲気などはミニモニ。で培った楽しさを存分に発揮しています。
ごく短いとは言えソロナンバーをもらえていますが、とても美味しいと言える役ではないですね。
残念ですね。
もしかして、とってもセリフ覚えが悪いとか、そう言う問題でも抱えているのでしょうか?
そうとも思わないと、この扱いは可哀想だったな。

矢口真里
「憎まれ役」を任されると言うのは、プロデュースサイドからの信頼の現れ。
矢口ちゃんならではの役割だったといえるでしょう。
とはいえ、その「憎まれ」シーンがほとんどなく(登場直後のいやらしいほどのブランド自慢と、後藤主任に対するベタベタした態度で保田店長の不興を買うシーンくらい)、次の登場にもう後藤主任に振られてしまい、「いい子」になってしまうのが非常に惜しい。
事前の情報で彼女が憎まれ役をやると聞いて、期待していたんですよ。例えば梨華や、その他主役級メンバーと一悶着起こすのではないか、と。
残念ながら、裏切られました・・・
彼女の場合は「役に」と言うよりも「出番の少なさ」に恵まれなかったですね。
彼女自身は、もうこれでもかとばかりにキャラクターを作り上げて挑んでいたのですから。
テレビドラマ(はいからさんが通る、など)やラジオドラマ(OH-SO-RO!、若しくはANN-S特別企画)で耳につく「パーソナリティーしゃべり」(まぁ、言ってみれば一種の棒読みです)は、舞台上では逆にセリフが聞き取りやすくて、かえってよかったように思えました。

後藤真希
男役です。
これが「難しい」と仰る向きも多いかと思いますが、ボクは「彼女向きだ」と思っています。
彼女は(最近は克服に勤めていますが)歌以外で自分をさらけ出す事を、基本的に不得手としています。
トークの苦手さは皆さんご存じの通り(そこが彼女のトークの面白さなんですけど)。
そこで、彼女のポテンシャルを活かすには、彼女を「彼女自身とはかけ離れた役柄」にたたき込んでやるのが一番手っ取り早いのです。
「自分をさらけ出さなくていい」のですから。「自分を変えていけばいい」のですから。
それが、例えば「白血病の自閉気味の少女」だったり「日本髪を結った踊り子」だったり・・・
「綾小路文麿」だったりするんです。
(ペンギンは例外だと思うけど・・・)
今回の「後藤主任」は、見た目はもちろん、こういう意味でも「綾小路文麿」を踏襲した設定です。
そして、彼女は見事に男役になりきりました。
細かい立ち居振る舞いまでも、男っぽいんです。
特に、社長に呼び出されて社長室に入る際、更に社長室から出ようとする際のドア越しの演技は、地味ですが出色だと思います。
音楽で言えば、回る舞台で彼(女)を避けて逃げ回る紺野を追いかけながらの「答えてほしいんだ」の熱唱が忘れられません。
ダンスのステップまでもが男っぽくなるんですから大したものです。
さすが、後藤真希でした。

保田圭
役柄は、キッチンズバーガーの店長。
後藤主任に憧れて色目を使いつつ、紺野のドジに目をつり上げる。
・・・
それだけの役でしょ。それ以上の存在価値はないでしょ。
それ以上の存在価値を、脚本家も作ってないでしょ。
それなのに、何なんだあの存在感は。
紺野のドジに怒る演技がまさに「怒り狂う」勢い。
後藤に絡みつく真里に対するジェラシーが「身を焼いている」。
将来の夢について紺野に訊かれて戸惑い、逆に怒鳴りつけてしまう「所在の無さ」。
どれもこれも、脚本の行間から読みとったような・・・
いや。「保田圭(モーニング娘。)」という人格から一時的に離れ「保田店長」になりきり、その立場で行動した結果が、そこに現れたのではないでしょうか。
この役は、例えば第一部における「幼なじみたち」のような、誰でもいい役に過ぎなかった筈なんですよ。
それを、ここまで忘れがたいキャラクターにまで進化させてしまった圭ちゃんには、大きな拍手を送りたいと思います。
しかし第二部に圭ちゃんのソロ楽曲がなかったのがちょっと残念、どころか意外な感じがします。
まぁ考えてみれば、大した役柄ではないのだから(本来は)「歌うタイミング」がなかったと言えなくもないですね。
歌やダンスだけじゃないぞ!ということを強烈にアピールしてくれた圭ちゃんでした。

石川梨華
さて。本サイトのレポートとしては、ここからがメインイベントです。
(これまで全部が前置きかよ・苦笑)
上京する前から、ネット上に飛び交っていた情報によれば、とにかく評判がよかった梨華。
しかしそれは「あくまでも『梨華にしては』よかった」程度のものじゃないか、と過小評価しておりました。
演技といえば、スタート地点が「アレ」ですから、棒読みさえなければ大好評になるはずでしょ。
だから、それほど期待もせずに見ておりました。
それが、見事に裏切られました。
いい意味で。
こんなに「ハラハラせずに」楽しめた梨華、初めてでした。
梨華の役についても、基本的には圭ちゃん同様、誰でもいい役なんです。
ただ一つ。あのシーンを除いては・・・
そう、「初めてのハッピーバースデイ!」です。

これは、梨華推し大満足のイベントでした。
簡単に説明しますと、辻の知人のアイドルグループ「カントリー娘。」の3人が、辻に連れられてキッチンズバーガーに訪れ、いきなり「初ハピ」を歌い出すんです。どこからともなくスタンドマイクまで取りだして。
この時点で、ボクの感想は「あいたたたた!」だったんですね。
この曲を梨華抜きでやられるのは、大事な物を奪い取られたような深い喪失感があったんです。
店員・石川は、この3人のアイドルを眺めているんですが、イントロが流れていざ歌が始まってしまうと、ガマンしきれずに踊りだしてしまうんです!
そして保田店長に見とがめられて、はっ!として動きを止めるという・・・
それを何度も繰り返すんです。
まさに、コールを入れて盛り上がりたくてたまらないけれど、第三部を待たずにやっていいものかどうか、それも梨華抜きのカントリーで・・・と逡巡しているボクと全く同じ心情の流れ!
ついには石川、舞台袖に引っ込んでスタンドマイクを引っぱり出し、鼻息も荒く足を踏みならしてカントリー娘。の端に加わり、歌い踊りだしてしまうんです!
ラストサビではしっかりとポジションチェンジ、センターを奪回してしまうのです!
久しぶりのWジャンプも堪能。
ついうっかりプロデューサーの罠にはまって大笑いしてしまったTommyでありました。

このシーンを除いては、梨華は圭ちゃん同様、しっかりと「アルバイト店員・石川」になりきっていたのです。
細かったはずの声は、最後列までしっかりと聞こえました。
セリフも、全て聞き取れました。
もちろん、棒読みではありませんでした。
独特の「わざとらしい」イントネーションは、矢口ちゃん同様、舞台ではセリフを際だたせるというよい効果しか上げておりません。
最後列、彼女の顔なんて全く見えない状況下で、彼女の表情はしっかりと伝わってきたのでした。

石川「この店、可愛い子が働いているって評判なのよ」
紺野「あぁ、だから私、採用されたんですね」

のくだりの「コケ」なんて、ちゃんとテーブルに体ごと突っ込んで、がちゃん!と音を立ててます。
岡女。の教えをしっかりと活かしてます。
そして紺野の夢を聞かされて自分の「教師になりたかった」夢を思い出すシーンもよかった。
惜しむらくは、「彼女が教師を目指していること」「教師を目指す夢を思い出し、大学に復帰する決意をするくだり」をセリフだけでなく、しっかりと描ききれる脚本であって欲しかった。

ともあれ「梨華にしてはよくやった」ではなく、はっきりと「よくやった!」と言い切れる出来でした。
本当に、楽しめました。
改めて、石川梨華に惚れ直した一日でした。
後でOH-SO-RO!で聞いた話ですけれど、梨華のダンスの振り付けって直前で変更があったそうではないですか。
その時は、あまりのことに泣き出してしまったという梨華。
しかしこの日は、そんなアクシデントを全く感じさせないステップでした。
第一、ラジオでそれを笑い話に出来るところが、すばらしいです。
こうなったら、一度、しっかり彼女に演技をさせる仕事を取ってきて欲しいぞ、事務所さん。
「はいからさんが通る」で終わる女じゃないぞ、石川梨華は。


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