2002ねん7がつ24にち。

コラム・「Do it! Now」

1・シングル曲の流れ
「愛の種」〜「モーニングコーヒー」でのセンター争いから、「ふるさと」に到るまで、モーニング娘。のメインボーカルといえば、安倍なつみ一人であった。
それが1999年の後藤真希加入から、そのチーム編成が大きく変わることになる。
「安倍・後藤2トップ」を基本にして、これまで以上に全てのメンバーに見せ場を作る形。
その現れとして、「LOVEマシーン」ではこれまで完全にコーラス担当だった市井紗耶香が、初めてソロパートをゲットしたのだ。
この後の楽曲も、基本的に「安倍・後藤」を中心に、細切れパート割りで楽曲は作られていく。
(「I WISH」は、安倍が引いている点で例外と言えなくもない)
そして2001年、「恋愛レボリューション21」から半年のブランクを経て発売された「ザ☆ピ〜ス!」から、またチーム編成のマイナーチェンジが行われる。
この2トップにもう一人を「センター」として加える「3トップ体勢」である。
「ザ☆ピ〜ス!」の石川梨華、「Mr. Moonlight」の吉澤ひとみ、そして「そうだ!We're Alive」の矢口真里・・・
とはいえ、「そうだ!We're Alive」では実際、矢口がそれほど目立たなかった代わりに、スポットライトを浴びたメンバーがいた。
「高橋愛」その人である。
今回、新曲「Do it! Now」において、「安倍・後藤」2トップに「高橋・紺野」が加えられた4トップであると聞いたが、これは実際、「安倍・後藤・高橋」の3トップに「紺野をフィーチャー」した新体制であるのかも知れない。
ただし、ラスト近くのフレーズを「安倍・高橋」組で歌っていたところ、本当に最後のワンフレーズはいつの間にか「安倍・後藤」組に入れ替わっていたところを見る限りでは、まだまだ「2トップ」と「高橋」との間には壁があるようだ。

さて、楽曲という視点で見てみると、2トップ体制が確立した「LOVEマシーン」以来、ディスコ調の、マイナーコード進行が2曲続く。
バラエティソングである「ハッピーサマーウェディング」と「I WISH」がメジャーコードで、「恋愛レボリューション21」がまたマイナーコード。
そして、またバラエティソング「Mr. Moonlight」はメジャーコードだが、「ザ☆ピ〜ス!」「そうだ!We're Alive」が似た構成になっていて、イントロでメジャー〜A、Bメロでマイナー〜サビでメジャー、という変化が見られる。
結果、楽曲の印象が「明るい」曲が何作も連続した印象になる。
ここに来て、「Do It! Now」が久しぶりに完全マイナーコード。
シングル曲としては「恋レボ」以来で、「明るくない」イメージの曲調となると「ふるさと」以来、ということになる。

2・最近の楽曲の流れ
「Do It! Now」には、プロトタイプと考えられる楽曲がいくつか存在する。
今年のハロー!プロジェクト関連の曲を振り返って検証したいと思う。

(1)色っぽい女〜Sexy Baby〜(カントリー娘。に石川梨華(モーニング娘。))
今となっては、愛すべき「カン梨華」の魅力を一挙に捨て去った楽曲として、悪いイメージしかないこの曲(実際、「カン梨華」のシングル3枚の中で、一番セールスが苦戦したことからも、ファンがこの路線を望まなかったことが察せられる)だが、曲を聴く前にタイトルだけを耳にしたときには、「つんく♂が仕掛けてきたな?」と、そのチャレンジの姿勢に拍手したい思いだった。
確かに、ここしばらくハロプロで聞くことの出来なかった「セクシー系」楽曲への挑戦は面白かったと思う。
カン梨華でやるべきではなかった、早くカン梨華本来の魅力を伝えてくれる新曲が欲しい(だからこそ、ミュージカルでやってくれた「初めてのハッピーバースデイ!」4人バージョンには大喜びしたものだ)という気持ちは根強くある。
しかしこの挑戦が、「意味のない」ものでない、と信じたい気持ちがあったことも、事実なのだった。

(2)4th「行きまっしょい!」
収録曲は、リズムの似た楽曲が多く、耳に新しいものは少なかった。
その中で、「初めてのロックコンサート」は記憶に残る楽曲だった。
マイナーコード自体が珍しくなっている事自体、娘。の楽曲の幅が狭くなっているワケで、喜ばしいことではなかったのだけれど・・・。

(3)「幸せですか?」(セクシー8)
今年のシャッフルユニットは、例年になくコンセプトが解らない構成になってしまった。
タイアップのために制作された「おどる・11」を中心に結成されたと思しき3ユニット。
その中で、「セクシー8」(メンバー・石川梨華、矢口真里、吉澤ひとみ、後藤真希、大谷雅恵、里田まい、アヤカ、平家みちよ)だけは、音楽的に面白いメンバーだな、と感じさせる。
ほとんどが中音〜低音の音域を持ったメンバー。もちろん、矢口は本来は高音の持ち主ではあるが歌唱力がしっかりしているという特徴は持っており、そうなると梨華のみが突出して目立つ形になるのだが、彼女の場合はソロパートを減らし、ラップや「幸せ?」というセリフを与えることで適材適所のパート割りを割り振ってくれた。
平家のしっかりしたボーカルが底辺を支え、「あなたは言う」という部分を歌うアヤカの微妙な英語訛りが味を出し、ラストの英語歌詞部分をアヤカ〜平家に受け持たせることでクールなかっこよさも表現できたと思う。(この直後を占める吉澤パート、思った以上によく歌えていて、彼女の歌唱力の向上に驚いたものだ)
・・・そう、ラップが入る点、曲調の点、この曲は「Do it! Now」の直接のプロトタイプであると思う。
本来、プロトタイプであるなら、先にこの曲を出したあと、チャートアクションを見てから新曲を出しても良さそうなものだが、この2曲の間にほとんどブランクはない。
「プロトタイプ」という考察が間違っているのか、若しくは、つんく♂の方に自信があったのか。
なお、この曲のプロトタイプに遡るなら、「色っぽい女」ということになると思う。
「色っぽい女」は、「幸せですか?」を聞いたあとではどうしても色褪せて見えて(聞こえて)しまう。
プロトタイプとはそう言うものかもしれない。
そして、「Do it! Now」を知ってしまった今、「幸せですか?」が色褪せてしまった所からも、やはり「プロトタイプ」ではないか、との確信を強めるのである。
余談だが、「MUSIX!」出演時、梨華がセクシー8について「こんなセクシーな衣装は初めて」などと、思いっきり「色っぽい女」の時の記憶を喪失したかのような発言をしていたのが印象的。
まさかボクと同じ感慨を持っていたわけでは無かろうが・・・

因みに、他のユニットを見回してみると、「ハッピー・7」は弾ける若さ、元気さを表現したかったらしく、モーニング5期メンバーを中心に平均年齢の低いメンバーを集めているが、その中でおっとり系の紺野、辻を敢えてはずしたあたりが、つんく♂のこだわりだろうか。
それならば本来、ハッピーには松浦亜弥を入れるのが本道だろうけれど(そうなったら3ユニットでの最高セールスはハッピーで間違いなかっただろう)、ボクの考察するには、「きょうりゅう」「音頭」という非常に売れなさそうな楽曲を出すことになった「おどる」には、安倍なつみをはじめとしてハロプロのエース級を持ってきて、なんとかセールスを引っ張り上げようとした形跡があるので、松浦の場合も、その戦略のためにハッピーから外されたのではないだろうか。

次のページでは、「Do it! Now」について執筆します。


2002ねんなつの表紙に戻ります!うふっ♪