土地のトラブルはすべて境界問題にあると言っても過言ではありません。バブル崩壊後、全国的に地価の下落傾向が続いているとは言え、依然として土地が高価な財産であることには変わりはありません。誰しも土地に対する権利意識は高く、土地の境界に関するトラブルは絶えません。

この境界に関するトラブルは土地を所有する方が境界標(土地の境界を表すコンクリートまたは金属製の杭で、地中に埋め込まれています)を設置されていなかったり、設置していた境界標が無くなったりしたことが原因となって起こります。例えば境界標が無いケースとして、ご先祖の代から長年受け継がれてきた土地などは境界標が無く、昔からそこにある杭、垣根、側溝などを土地の境界とされていることが少なくありません。たいていの場合、このような土地の境界は書面ではなく当事者の方々の口約束によって決められたものが多く、法務局の地図にも境界が記録されていません。つまり、伝承によって土地の境界が認識され、当事者の方々以外に土地の境界を証明できる方がおられません。

しかし、地形は長い年月の間に自然の侵食、行政の区画整理、あるいは人為的な破壊によって変化します。ご先祖の代には存在していた杭、垣根、側溝などが無くなったり、位置が変わったりしますし、当事者の方々がお亡くなりになって土地境界に関する事実関係があやふやになったりすることもあります。そうなると、「昔はこの垣根はどこそこにあった」、「先祖からはここが境界だと伝え聞いている」などと主張してもそれを証明する公的な記録が無いため、隣接者が「いや、私はこっちが境界だと聞いている」などと意見が食い違えば、トラブルへと発展します。これは実際によくある問題です。お互いに利害が絡む難しい問題であるため、なかなか円満解決という訳にはいかないのが現実です。

できることならば、トラブルへ発展してこじれる前に芽を摘んでおきたい問題です。厄介なことに、境界問題は子や孫の代になって起こることが多々あります。しかし多くの場合、問題になってからでは遅すぎるのです。もし、お隣さんとあなたの土地の間に境界標が無い場合は土地家屋調査士へご相談下さい。土地境界問題の対策は決して早過ぎるということはありません。