平成13年度新潟大学人文学部公開講座

「なるほどTHE英語」#3
6月28日(木),7月5日(木)

意味の世界
--日本語との対照から--

resume.gifexercise.gif

新潟大学人文学部助教授 山崎幸雄


Syntax
着る
履く
かける
はめる

かぶる

上半身,胴体全体
下着類
メガネ
手袋
(秋田以北「はく」)
帽子
日本語は方言により異なる英語は大抵wear
(習慣として身につける,今身につけている状態をいう) 脱いだものを着る。

「着る」動詞は動作をするのか(put on),習慣としているのか(wear)で異なる。

日本語--顔と頭
英語--face
headの一部(前面にあるもの)

はどうか
kubi.gif
日本語の『首』には色々な意味がある。
たとえば『敵の大将の首』これは実際は首ではなく頭である。
昔は漢字で書き分けた:本来首から上の全部
:首だけを表す。

当用漢字を決める時に同音を省いた。
head≒頭であり=になるのは本当は少ない。
ではどうしたらよいか。→意味の詳しい辞書で調べよう。

なぜ等式が成立しないか。

意味は意味によりグループがあり,お互いの関係から意味が決まった。
意味の広がりのズレ 言語によりグループが異なる。
finger1|
|
|
finger2
thumb
|toe
ten fingers and ten toes
eight fingers, two thumbs and ten toes

意味の区別に揺れがあり,意味の決定があいまいなところがある。
→思い通りの区切り方ができる
主語による区切りの差がでる

−−線が引いてあるわけではない。

footleg もどこで区切るか文字生活に入った途端に足と脚を区別するようになった。
dot.gif地面についている部分がfoot
dot.gif腰から下がleg

オジ,オバ 伯と叔
 父方,母方を区別している言語はある。

いとこ
従兄,従姉,従弟,従妹
cousin フランスから輸入 ♂ cousin(クザン) ♀ cousine(クジーネ) →ドイツへ

兄弟関係
brother.gif縦の線があるのであれば 横の線のみが機能している言語あるのではないか →インドネシア語
This is my brother John.という表現は日本語にはない。
日本語は「兄・・・妹」の○○。という。
「これは兄弟の○○だ」と言うことはない。

英語ではolder 〜, younger 〜といい,どうしても必要な時のみ使用する。

ドイツの言葉
例:日本語:昨晩学生と過ごした。
ドイツ語:昨晩一人の女の学生と過ごした。
としか言いようがない。

米ではHe is my brother.で安定する。
日本では年齢を言うと安定する。
単複の区別は日本語は文法化していない。

兄弟は兄と弟だけなく,女にも使える。
brother≠兄弟 「これは私の兄弟の××だ」では落ち着かない。
お兄ちゃん,お姉ちゃんはあるが
弟ちゃん,妹ちゃんはない。
カトリックでは女性の修道士を童貞様と呼んでいる。
日本語は類似的な親族関係を作りやすい。
姉妹の方は限られている。

brideが元でbridegroomが出た。
古い文献 brydguma gumaが欠落 groom馬の世話役(馬丁)をつけた。

文体差 stylistic feature 意味の他にある文の形からくる意味の差

簡単に=で結びつけることはできない。
麦:複合語として存在
大麦
小麦
ライ麦


麦の仲間として見ている。
英語
barley
wheat
rye


元から違うものとしていている
だから,全く違う形

カラス crow rook raven ・ ・ 総称としてのカラスは英語にはない。

馬:horse stallion mare colt
牛:cattle ox cow calf
豚:pig boar sow pilet
日本語には区別はない。文化や語彙体系に関係があることがわかる。

male/female雌雄の区別は人,動物,植物のどれにも使える。

対立
人,動物死ぬ
いる
植物枯れる
ある
--英語はdieのみ
--存在を表す動詞

どういう原理で対立しているか
《+human》人について言える 有情/無情
《-human》人以外について言える

riceコメ
riceイネ
コメ
ゴハン
メシ
植物
食品
食べられるもの
意味に違いとは異なる文体差
ライス意味に違いが復活商品として存在